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一般社団法人岩見沢青年会議所 2023年度 理事長指針 理事長 柿本 有恒

 理事長という職に就かせて頂くにあたり、一年をどういった年にしたいか。どういった組織で運営するべきか。これからの自分のまちがどうなって欲しいか。そのようなことを先ず先に考えなければなりません。
 私も歴代の理事長に習い、それを考え5つの柱を建てました。そして、考えれば考えるほど、全てが噛み合った時に効果は最大になる、と思うようになりました。一見独立したようにも見えますが、人が多ければ多いほどまちづくりの可能性は拡がります。そして、一人ひとりの意識が高ければ、人数以上の効果を出すことができます。また、まちづくりはチームで行いますので横のつながりは欠かせません。そして、まちづくりが市民から認められれば、この会の認知度と信頼性が上がり、さらなる会員拡大にもつながります。そして何より、今後もこの会を存続させなくてはなりません。
 このように、今年度は三つ巴でもなく、四つ巴よりも欲張った「五つ巴」で進めてまいります。そして、その全てを好循環させるのに必要なことは、互いの観察です。


 青年会議所はどういった団体か、という問いに対して「まちづくり団体です」という返しはよく耳にします。
いつの時代も、どの青年会議所もまちづくりは外せません。
 まちが元気になれば人も寄り集まり、さらに人を呼ぶことにつながります。そして、その逆もまた然りです。
これから先、自分の住み暮らすまちをより良くするのは、このまちに住む我々の責務であり、我々世代の行動次第であるという自覚をもつべきです。
 では、どのように行動すべきか。私はゼロから新しいことを始めることだけが全てでは無いと考えておりま
す。今あるものを活かし、お互いの総力を結集しさらに発展させる。これも立派なまちづくりの姿ではないでしょうか。
 幸いにも、岩見沢市には小中高大と義務教育から高等教育まですべての教育機関があります。これはとても魅力的なことであります。しかしながら、少子高齢化が進む時代において、この状況も安泰ではありません。この先も、未来を担う若者がいるまちでありたい。そのためには、我々の行動も重要になってきます。今の環境に甘んじることなく、この先を見据え行動していくことが重要です。


 2022年度には在籍最長10年のメンバー3人をはじめとする色濃い7名が卒業され、2023年度にも7名が卒業予定となっております。このまま状況が変わらないとすると、2024年度には在籍平均年数が5.6年のメンバーで構成されます。それだけ在籍の浅いメンバーが多くなってくるということです。
 それは伝統が引き継がれにくくなってしまうということも意味します。定款や規約、理事会資料などは引き継がれているものの、我々の活動には慣習も多く、単年度制の弊害も相まって「この人に聞けばわかる」が難
しい面もあります。また、飲みニケーションの不必要性の声も多くなり、デジタル機器の発達により直接会わなくても会議が行えるようにもなりました。その影響もあり、改まって話すことではなくても、何かの際に話題に出る歴史や、青年会議所にとっての当たり前を伝えにくくなっている現状も感じます。
 そこで今年は、今一度初心に返り、青年会議所はどういった団体なのか、そして岩見沢青年会議所はどういった団体なのかを勉強し直し、会員の資質向上を目指します。
 また、資質向上には青年会議所メンバーという側面だけではなく、社会人としての向上も必要と考えています。人は必ず何か知らないことがあり、それを日々吸収できるか、自分には関係無いと切り捨てるかで人生の豊かさが変わってくると考えております。青年経済人と言えども、職種や今まで歩んできた経験値、感性は人それぞれ違います。常に吸収する精神をもつことが重要で、それを提供する機会も重要と考えております。
 今まで以上にレベルアップしたメンバーで事業を行うことができれば、それだけ質の高い成果が生まれます。人数だけいれば良い団体となってはいけない。この団体は良識ある青年団体であるべきです。


 何かを協働して成し遂げようとした時、相手のことを理解していれば理解しているほど、労力は軽く成果は高くなります。阿吽の呼吸ともなればそれは最大でしょう。
 会員全体の関係性向上は、書面でもオンライン勉強会でも深まりません。関わり合う回数が多ければ多いほど促進されます。
 その重要性を改めて感じ今年度力を入れようと思ったきっかけは、昨年JCI美唄JCI夕張JCI栗山と協力して開催した第71回の北海道地区大会南空知いわみざわ大会です。大会は成功裏に終わり数えきれない感動とかけがえのない繋がりはありましたが、その一方で、準備段階での自分の所属する青年会議所メンバーや他の青年会議所メンバーとの連絡、地区協議会メンバーとの意思疎通の難しさを感じました。よく知らないメンバーにはなかなか連絡しづらい。伝わらない。これが全てでした。
 2023年度は誰も孤立させることなく、何事にもチームで進めていきたいと考えております。また、岩見沢青年会議所内の交流促進はもちろん、今まで以上に深まった4JCの交流も絶やさず育みたいと考えております。そのためには作為的に関わるきっかけの場を設けことが必要です。


 2022年度に会員数は1.5倍に増えました。しかしながら、2022年度には7名が卒業され、2023年度にも7名が卒業予定となっております。このまま状況が変わらないとすると、2024年度スタートには20名スタート
となります。
 全国の青年会議所メンバーが会員減少傾向にある中、JCI岩見沢も御多分に洩れず会員拡大について大き
な成果を残すことができていませんでした。しかし、2022年度は10名が入会しました。その要因として「地区大会のおかげ」と分析する人もいますが、私はそれ以外にもあると考えています。JCI岩見沢の現状は、明るく、誰でも分け隔てなく前向きに物事に取り組むことができる風が流れております。多様性を認めるという風潮がありますが、正に今のJCI岩見沢はそれを実践しているなと感じます。多くのメンバーがいるということはそれだけ多くの考え方に触れられ、自分の視野も拡げることができます。ぜひ、一頭地を抜くメンバーと出会い同じ時を過ごしてもらいたいものです。2022年度に1.5倍に会員を増やすことができたということは、2023年度も同じことができるはず。この会は入る前と入った後では会に対する印象がガラリと変わる場合が多いです。
 言葉で説明しても伝えきれない。入ってみないと分からない。40歳になってからではもう遅い。ぜひ我々と活動を共にしましょう。後悔はさせません。


 青年会議所活動において、例年そう大きくは変わらないもの、それは総務業務です。委員会構成はその年により違いますが、総会や例会は必ず行われますし、会計も必ず必要です。その在り方は来年以降もそう大きくは変わらないでしょう。これまでの歴史と伝統を大切にし、それを次の世代へつなぐ。それもまた青年会議所活動において重要なことです。
 それに対して大きく変わってきていることは、メンバーの立場です。皆それぞれ仕事をもっていますが、職種も役職もバラバラです。社員の割合も昔より多くなってきているのではないでしょうか。
 このように、メンバーの環境は変わっている中でもこれまでの当たり前を今後も当たり前として行っていくには仕組づくりが必要です。昔は手書きで作成していた資料も、パソコンの発達で修正が容易となり、今ではネットワークで繋がっているのですぐに共有も可能となりました。その進化を活かし、個で管理するのではなく、チームで管理し遂行する仕組みをつくる。これが大切なことだと考えます。そしてデータで管理できる時代のおかげで記録もしやすい利点を活かし、記憶よりも記録で後世に引き継いでまいります。


 1956年11月3日、16名の有志によってJCI岩見沢は設立された...というフレーズはこの会に所属していると耳にします。16名はなぜこの会を設立させたのか。どのようなJCI岩見沢の未来を望んでいたのか。何を考えどう行動したのか、そのようなことをよく考えていました。そして、私がいつしか思うようになったことは、その当時の16名は今の青年会議所に在るような崇高な思想はもっておらず、それほど難しいことも考えていなかったのではないだろうか、ということです。ただ、ただただ戦後の復興真っ只中にいる青年が、溢れんばかりのパワーを発揮させるため、今後の岩見沢にとって必要だと考え設立に至ったのではないかと考えております。この会は人とまちをより良くするためのものである。理屈ではなく、16名の中にいた者の血を受け継ぐ子孫として直感的にそう感じております。
 その精神を受け継ぎ、崇高でなくてもいい、派手でなくてもいい、日々自分達のできる精一杯の力を出し、決して独りよがりではなくチームとして活動を展開していきたい。そう心に決め邁進してまいります。

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